ひとりごと1.昔見た映画の話
Amazonプライムで、10数年振りに「メトロに乗って」を見た。
映画が公開される何年か前に浅田次郎ばかり読んでいた時期があった。
メトロに乗ってもすでに読んでいて、面白い作品だったと記憶していたが、
読み終えて少し時間が経っていたこともあり、細かい部分は覚えていなかった。
そんな中、たまたま試写会のチケットが手に入り喜んで見に行った。
見なければよかったと思うほど泣いた。
当時私は彼女がいる人と付き合っていて
自分とみち子を重ねたのだ。
冷静に考えれば「何も消えずとも、ただ現代に戻って別れればいいじゃないか」と思うのだけれど
「好きだから別れる事も出来ないが、大切な人を不幸にもしたくない。幸せになってほしい」と思い
ならばいっそ、と存在を消すことを決めたみち子の気持ちが痛いほど理解できた。
今でもそのときの気持ちはわかる。
けれど、親になって考えるのは、やはりあのときのお時の気持ちのほうだ。
階段を転がるあのシーンで、
昔はみち子と
今はお時と
我が身を重ねて胸が苦しくなる。
エンディングの「プラットホーム」を聞いて
さらに胸がぎゅっとなって
なんだかもう、やるせない気持ちになってしまった。
まあ…酔っていたと言えば酔っていたのだろう。
その環境に。
酔いしれていたのだろうなと、
今になれば思う。
記憶と現在の感情が絡まり合って混乱している。
眠れない夜のひとりごと。